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#2 人にあわせてオフィスをつくる、“Living Office”の考え方とは?

産業革命以降のオフィスの形は、その時々のビジネスの潮流に影響を受けながら変化してきた。大量生産と効率化が至上命題だった「産業の時代」。いかに有益な情報を早く得るかを競い合った「情報の時代」。こうした時代を経て、現在のビジネスシーンは“アイデアと人”を重視する新しい時代に移ろうとしている。

その新時代に適したオフィスの形として、家具メーカー・ハーマンミラージャパンでは、「Living Office」という概念を提唱している。前回に引き続き、同社のマーケティングマネージャー・前澤恵子さんに解説いただこう。

「“Living Office”とは、直訳すると“生きているオフィス”。形があるものではないのでちょっとわかりづらいのですが、オフィス環境を根底から考えるためのフレームなんです。人が生み出すアイデアがもっとも価値を持つ時代には、働く人を中心にした環境をつくりあげていく必要があります。人が自然に、生き生きと働ける環境というのは、組織や仕事の内容によって変わりますから」

Living Officeの概要を知るために、ハーマンミラーがまとめた8つの提言に目を通しておきたい。同社は、世界各国で働き方のトレンドや変化をリサーチし、分析することでそのエッセンスを抽出している。その結果から導き出した提言は、今のグローバルなビジネスシーンで何が重視されているかを表してもいるのだ。

生きている組織/Living Beats Dying

生きている組織
組織の繁栄は、働く人の情熱や成長のうえに成り立っている。人が変化し、成長していく生き物である以上、組織やオフィスもその変化を受け入れられるような、有機的で柔軟性があるものでなければならない。これが、Living Officeの根底にある考えだ。

流行にまどわされない/The Next Big Thing Isn’t For You

流行にまどわされない
オフィスの変遷を見ていると、時代ごとに流行がある。インターネットが普及した情報の時代にはパーテーションで仕切られたキュービクル型が主流になり、最近では「フリーアドレス」という、社員一人ひとりが固定席を持たないオフィスが増えてきた。ただ、そういったオフィスが本当にその企業や人の働き方に合っているのかは、考えてみる余地があるだろう。とくに働き方が多様化した現在では、オフィスの形も、企業によって独自性を出していくべきなのだ。

働く人が選択する/Workers Are Shoppers

働く人が選択する
ひとつの仕事を、決まったやり方で行う時代は過ぎようとしている。ひとりで集中したいときもあれば、リラックスした環境でアイデアをひねり出したいときもある。大人数でブレストを行うときもあれば、1対1でアイデアを詰めていく作業も必要だろう。そういった仕事を行いやすいのは、どんなツールを備えた場所なのか。それを理解して最適なオフィス家具やレイアウトを選ぶことができるのは、現場で働く人たちだ。

感覚は思考より速い/We Feel Before We Think

感覚は思考より速い
ビジネスにロジックは必要だが、感覚がより重視されるようになっているのが今の時代だ。日常的に働く環境としてはもちろん、来客がオフィスをぱっと見たときに、どんな印象を受けるか。企業の理念や社風を伝えるうえでも、色や空間などの非言語的な要素が占める割合は、これまで考えられてきたよりもずっと大きいのだ。

美しいカオスを作ろう/Make a Beautiful Mess

美しいカオス
すべてが整然と並べられた場所で、人はリラックスしたり、新しいアイデアを生み出したりできるだろうか。“アイデア”が重視される今の時代には、ちょっと異質なものが混在したような“カオス”の価値が見直されている。様々な資料類が混在して机の上や別の場所にあったり、働く人の導線を限定せず、その時々で違うルートで移動できるようにしたり。そういったところから、思わぬアイデアが生まれることもある。

1+1=3/You Plus Me Equals Three

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アイデアは、ひとりの天才の頭から生まれるわけではない。むしろ、複数のメンバーで話し合い、練り上げていくことの方が多いだろう。頭のなかにある着想には1の価値しかなかったとしても、それを他人とシェアすることで、さらに新しいアイデアが生まれていく。こういうコラボレーションが生まれやすい空間をいかにつくるかということは、今の時代のオフィス環境を考えるうえで欠かせないポイントだ。

技術を忘れよう/Forget Technology

技術を忘れ
ITツールは今やビジネスに欠かせないものになってきた。しかし、時としてそれは「煩わしいもの」にもなりかねない。1時間の会議のなかで、プロジェクターやネットワーク環境にPCをつなぐために5分もかかるのであれば、その仕組み自体を見直すべきでは? ツールを使っていることが意識されなくなったとき、ようやくオフィスはその技術を取り入れたといえるだろう。以上が、ハーマンミラーが提言するこれからのビジネスとオフィス環境のあり方だ。このようなビジョンのもとで、様々なパーツや家具が組み合わされてLiving Officeはつくられていく。次回から、その具体例に入っていこう。

▼「Living Office」について、詳しくはハーマンミラー公式サイトで!

http://www.hermanmiller.co.jp

▼ハーマンミラー「Living Office」とは? 好評連載中!

#1 産業から情報、そしてアイデアの時代へ。働き方の変遷を追う!

#2 人にあわせてオフィスをつくる、“Living Office”の考え方とは?


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