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ノマドワークを1週間試してみて分かったこと

働く場所を固定せず、カフェや喫茶店など、様々な場所で働く。ノマドワークという言葉が世に出て久しいが、実際どんなメリットがあるのだろう…? 確かに会社は、いろいろな電話がかかってきたり、上司との煩わしい人間関係があったりで集中できる環境とはいい難い面がある。しかし、ネットが常時接続であり、コピー機や印刷が使い放題、さらに、上司や部下がすぐそばにいるため、相談しやすいなど、メリットも大きいように思う。

はたして、ノマドワークのメリット・デメリットとは…? そこで、1週間実際にノマドワークを試してみることにした。

ちなみに、私は編集・執筆業。こうした記事を書くのはもちろん、ウェブサイトの運用や数値モニタリング、他のライターやイラストレーターとの打ち合わせ、ウェブサイトコンテンツの企画立案など様々だが、基本的にはパソコンとネット環境さえあれば、どこでも仕事ができる。ノマドワークを導入しやすい業種だ。フリーランスだが、事務所が存在し、従業員が2名いるという立場だ。

●ノマドワークの一番のデメリットは電源確保

ノマドワークを1週間続け、早々に難しさを感じたのは、「電源の確保」。ノマドワークという言葉の広がりから、電源利用OKとするカフェは増えているとはいっても、まだまだ少ない。ノマドワークの場合、ノートパソコンを持ち歩いて作業することになるのだが、フル充電で省電力モードにしたとしても5時間程度しか電源が持たない。そこで、電源が確保できるカフェをいくつか検索し、頭の中にインプットしておくのだが、そうしたカフェは同じノマドワーカーから人気が高く満席であることも多かった…。電源からスマホを充電してゲームに興じるビジネスパーソンもおり、妬ましい…。「私、仕事があるのでその席変わってもらえないですか?」とは言い難い。

結果、ノマドワークでも行く場所はいくつかに限られてしまい、「出勤と変わらないのでは…?」と思うことも。また、電源が確保できる場所を捜し歩くことによって時間的ロスが大きいため、結果作業効率は低下する。

ネット接続の面でも、やはり固定のインターネット回線は経済的だと感じた。スマートフォンでテザリングしながら仕事をしていると、あっという間にパケットの接続上限に達してしまう。私の仕事は1つのファイル容量が100MB程度になるデータのやり取りも多いため、2~5GB程度ではすぐに上限に。YouTubeをBGMに仕事をしたらなおさらだ。

その他、「従業員に指示を出しにくい」「資料をプリントアウトしたいときにできない」「おさぼりビジネスパーソンや暇つぶし中年女性の話し声がうるさい」なども感じることがあった。

●ノマドワークのメリットは通勤時間とランチの短縮

対し、ノマドワークのメリット面として感じたのは、通勤時間の短縮。現在週に3日ほど企業に出向しているのだが、通勤に片道40分程度かかる。ノマドの場合は、片道10分程度と通勤時間はかなり短縮できた。往復で1時間の差になる、これは大きい。

ランチタイムにシームレスに移行できるのもポイントが高い。会社勤めの場合は、お昼の時間に外食に出ようとすると、エレベーターの行列があり、店舗での順番待ちの行列があり…と、無駄な時間が多い。ノマドの場合は、働いているその場所でそのままランチに突入できるのはストレスが少ない。半面、「気分転換にならない」と言ってしまえば、それはその通りなのだが…。

1週間試してみての総論としては、比較的働く場所や働き方が自由な私であっても、メリットよりデメリットの方が多かったように思う。今回の経験から、ノマドワークに向く人はどんな人か、改めて考えると以下のような人かもしれない。

□上司や部下など協働者がおらず、コミュニケーションが低頻度。ひとりで完結する仕事
□データのやり取りがあっても軽量データ
□普段の作業は高スペックなパソコンでなくても問題がない(高スペックなパソコンは消費電力も多い)

体験を通じて改めて分かったことだが、会社は仕事しやすい環境が整えられている。ノマドワークに憧れを持つ人は多いように思うが、本当に仕事が捗るのか。切り替え前に、今の環境をよく見つめ直すべきだろう。
(文・鈴木大介/考務店)


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