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「何の仕事がしたいの俺」と感じたら知るべきキャリア・アンカー

第一志望の企業に入社し、その後も不満を感じることなく働き続けているという人は稀。ひとまず自分が内定をもらった企業の中で厚遇だった企業を選んでいるという人は少なくない。2011年度から大学においてもキャリア教育が義務化されたものの、いざ選ぶ時になると、結局どの企業が良いかなんてわからない、もしくは選べるほど選択肢はない、というのが実情だ。

「俺、いったいなんでこんな仕事をしているのだろう?」、「何をしたいのだろう?」。ふと、今の自分の置かれた状況や仕事について、冷静になった経験はないだろうか?

そんな時、自分がどんな仕事をしたいのか、考えるヒントとしてオススメしたいのが、アメリカ・マサチューセッツ工科大学エドガー・H・シャイン博士が考案した、「キャリア・アンカー」という考え方。アンカーとは、英語で錨のこと。仕事人生を航海になぞらえ、旅をするためには様々な寄港地(職場)に寄稿するが、その際に下す錨は不変的であるというもの。端的に言えば、仕事において自分が大切としているもの、のことだ。

シャイン博士は、組織心理学のエキスパート。社会人へのインタビューを通じ、“人が仕事をするうえで大切にしていることには8つのタイプが存在する”とし、以下のように分けている。詳細は、以下の通り。

シャインのキャリアアンカー 8つのタイプ

1.技術的・機能的能力
特定分野に特化した自分の知識や才能を生かすことに満足感を感じるタイプ。また、自分の力が高まることも好き。

2.管理能力
全体を管理することに価値を感じ、出世や経営者を目指したいタイプ。責任のある役職につくことが好き。

3.自律・独立
自分のペースで自由に仕事を進めたいタイプ。

4.安全性
大きな変化がない安定した状況の組織に属して、ゆったりと仕事に取り組みたいタイプ。

5.創造性
新規事業や発明などを行う・生み出すことに魅力を感じるタイプ。

6.奉仕・社会貢献
他人や社会への寄与に価値を感じ、行動を起こすタイプ。

7.純粋な挑戦
仕事や専門性にこだわらず、難しい難題に取り組むことに魅力を感じるタイプ。

8.ワークライフバランス
仕事と生活のバランスを大切にしたいと思うタイプ。

自分がどのタイプにあてはまるのか、ある程度ビジネスパーソンとしてのキャリアがある人ならば、これまでの経験から何となくわかるだろう。もし、厳密に知りたい場合は、質問票が内包された書籍もある。

東京商工リサーチが発表した2014年の「企業の平均寿命」は23.5年と、多くのビジネスパーソンの勤労期間よりはるかに短い。今堅牢な企業も、いつどうなるともわからない。そんな時代だからこそ、「どんな企業で働くか」ではなく、「どんな働き方をしたいか」という視点で自問自答しておく。すると、就職や転職活動でも、視野が広がるかもしれない。
(文・鈴木大介/考務店)


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