wid_1512_chaos

「なんで俺がこの仕事を?」と思ったら知るべきキャリアのカオスセオリー

個人の思いとは裏腹に、いつ何の仕事をやらされるかわからないのが仕事であり会社。入社後の説明で聞いた担当業務内容や、面接時に聞いた話とは実業務が大きく違うなどはよく聞く話だ。

そうした事態に直面した際に、「この仕事を、僕が(私が)ですか…?」と思うのは早合点。ひょっとしたら、そうした予期せぬ仕事のなかにこそ、自分の将来につながる発見が隠れているかもしれないからだ。

キャリアカウンセリングやキャリア発達理論のなかでは、数年前から「カオスセオリー」という理論が注目され始めている。同理論は、オーストラリアの心理学者ブライトとプライヤーが2005年に提唱したもの。ひと口に言えば、先の見えない不安定な時代こそ、予期せぬ偶然との出会いが大切であり、不安定さを受け入れて適応することが大切、というもの。

●キャリアは真面目に考えすぎると答えが出ない

年長者世代には耳馴染みのない「キャリア」だが、若年層の多くは、一度はキャリア教育に触れる機会がある。2011年度の大学設置基準の改正によって、大学は教育課程のなかにキャリア教育を組み込むことが義務付けられ、学生に対して「就職して3年後どうなりたいか?」「5年後はどんな姿になっていたいか?」「10年後はどんな人生を歩んでいたいか?」などを考えさせる機会を設けるようになった。

自分の将来を考え、そのために必要な行動をあらかじめ浮き彫りにすることは、まったく無計画に過ごすよりも有意義であることは間違いない。しかし、真剣に考えれば考えるほど、5年後、10年後に自分がどうなっているかなんてわからず、答えにくいというのがホンネ。特に、昨今は技術進化や社会構造の変化など時代の変化スピードが速く、5年はおろか数年後すら予測がつきにくい。例えば今から10年前の、2005年。みんながスマートフォンを持ち、家庭よりも高速なインターネット通信が家の外でも行えるようになると、誰が考えただろうか(もちろん、一部の業界関係者以外は、ということ)。

そんな2005年の流行語は「想定内」だったが、時は2015年。想定のつかない未来を考えることは限界があり、世の中は予測のつかないことも多い。安定している時もあれば、不安定な時もある。そうしたなかで生きていく上では、常に周囲にアンテナを張っていると、偶然の出会いのなかから、自分の興味関心につながりそうな発見が見つかるというもの。実際、成人男性の63%は自分のキャリアには偶発的出来事が影響している、という示唆するデータもある。不本意な仕事でも、まずはやってみる。すると、何か新たな発見につながるかもしれない。出会いと挑戦を大切にしよう。
(文・鈴木大介/考務店)


関連記事