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20・30代ビジネスパーソンのスキル低下中!理由は?

ビジネススキルとひと口に言っても、エクセルやワードのドキュメント作成力や数値の分析力といったものから、他人と上手に意思疎通するコミュニケーション能力まで、その項目はさまざまだが、どうやら、20代・30代のビジネスパーソンのこうしたスキルが低下傾向にあるようだ。

リクルートワークス研究所が毎年調査を行うワーキングパーソン調査では、2010年と2014年で同じスキル項目について調査している。「自己保有能力への評価」に見ると、2014年は20代・30代の能力に対する評価が2010年に比べて下げ基調。特に対人基礎力の低下が目立ち、25~29歳の正社員・正職員で比較すると、「円満な人間関係を築く力」は60.5%→48.1%に、「人と協力しながら物事に取り組む力」は68.0%→56.2%となっている(詳細は下表の通り )。

ワーキングビジネスパーソン調査
ワーキングビジネスパーソン調査

全体的に低下しているのは、いったいなぜだろう? リクルートワークス研究所の主幹研究員・豊田義博氏に、その理由について聞いてみると、「調査対象や社会環境が異なり一概に言えないところはある」としたうえで、いくつかの考察を答えてくれた。

「特に若い世代である20代に対し、上司世代からの評価調査を見ると、マジメ、優秀といった評価が高い傾向にあります。しかし、仕事に対しては待ちの姿勢が見られ、リスクを避ける傾向も顕著です。そうした態度から、上司世代からすれば一見優秀に見えるため期待が高い分、がっかり…といったことが多いのかもしれません。結果、上司世代からあまり評価されることがないため、本人たちの自己評価の低下につながっている可能性もあります」(豊田さん 以下同)

また、もうひとつの理由にビジネスパーソンを取り巻く仕事環境の変化もあると、豊田さんは続ける。

●仕事環境の高度化・細分化がスキル低下に

「90年代後半から、仕事環境の高度化・細分化の動きが加速しており、ビジネスパーソンは自分のこなす仕事が会社や世の中に与える影響が見えにくくなっています。これが、自己有能感の低下につながっているかもしれません。また、個人の担当業務範囲が狭くなったことから身につくスキルが減るだけでなく、上司に期待や業務範囲を超えた提案ができず、評価につながらない、といったこともあるでしょう。現代の20代・30代は“主体性が薄い”といわれることもありますが、仕事環境が彼らをそうさせている面もあります」

こうした状況が続いた先には、今の20代・30代が上司世代になった際、リーダーシップが発揮できないビジネスパーソンが増大するだろうと豊田さんはいう。特に、2014年の同調査で下がり幅の大きい「人と協力しながら物事に取り組む力」「円満な人間関係を築く力」などの対人コミュニケーション能力は、リーダーに必要な基本的なビジネススキル。ならば、今のうちにこうしたスキルを伸ばしておきたいものだが、その方法は?

「コミュニケーション能力はさまざまな年齢や価値観の人とふれあうことで培っていくことができます。社内外問わず、たくさんの人と出会う場を求めて環境適応性を身につけましょう」

他人の仕事に興味を持つと、余計な仕事が振られてしまいそうで避けたくなるが、ある程度能動的に関心を持たなければ、スキルも伸ばしにくい時代になっている。まずは隣の同僚が、どんな仕事をどのように進めているのか。情報共有を始めてみてはいかがだろうか。
(文・鈴木大介/考務店)


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