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腰を据えるべき会社・次を探すべき会社 20代の見分け方

内定を獲得し、ここまで何となく働き続けてきたけれど、「この仕事って、本当にやりたかったこと?」「このままここに居続けていて、自分は成長できるの?」。そう、自問自答した経験はないだろうか。

転職や起業・独立など、さまざまな働き方が頭をよぎる半面、やはり気になるのはリスク。「前の会社のほうが良かった」、という転職活動の失敗談もよく聞く話。とはいえ、何もしなければ、今のモヤモヤとした気持ちがなくなるわけではなく…。

「やりたい仕事」を探すために転職や独立をしたほうがよいのか。はたまた、今の会社で働き続けるべきか、なかなか答えが出るものではないが…。

「6割の人の現在のキャリアは、予想外の出来事から影響を受け、今の人生につながっています。変化が速いこの時代、キャリアを細かに考えることは限界があり、それにばかり目が行くと、他の可能性が広がりませんよ。まずは目の前の仕事に没頭して仕事力をつけることが大切です」

そう話すのは、心理学博士で作家の榎本博明氏。榎本氏が大学生約200名を対象に行ったキャリアに関する調査では、現在のキャリアについて「10年前どころか5年前でさえ今の自分を予想していなかった」と回答した学生は61%。オーストラリアのAUC(オーストラリアン・カトリック・ユニバーシティ)の心理学者・ジム・ブライトが行った大学生を対象にした大規模調査でも、7割の学生が「現在のキャリアは予想外の出来事に重大な影響を受けた」と回答しており、やはり結果は似ている。つまり、結局自分の道は偶然の出会いや出来事によって拓かれてきたという人が圧倒的だ。

では、そうした人や出来事との出会いは、いったいどこに…?

●仕事で信頼を築き社外に出会いの場を設けよう

「社外の人と勉強会などを行う、気になる本を読む、飲み会に参加するなど、実はキッカケとなる場は身近にあります。そうした出会いの環境作りを行うことが重要です。もちろん、いざというときに『うちでやってみない?』と誘われやすいよう、周囲から信頼を得られる仕事をすることが大前提ですよ。つまり、偶然の好機にぶつかる機会を増やすように行動すること。そして、いざというとき偶然の好機をものにできるように実力をつけておくことです」(榎本氏)

仕事で結果を出しても、周囲から評価されず信頼感アップにつながらない職場環境や、社外との出会いが少ない閉鎖的な業種や職種もある。こうした環境にいる人は、転職を考える価値はありそう。しかし、環境に恵まれながら、いつ見つかるともわからない“やりたいこと探し”や、確実ではない“安息の場所探し”をしている人は、要注意。目の前の仕事に集中しているか、一度自分を客観的に見なければ、やりたいこと探しを続けてしまう結果になるかもしれない。
(文・鈴木大介/考務店)


●今回お話を伺った人
MP人間科学研究所
代表 心理学博士 榎本博明氏

東京大学教育心理学科卒業後、東芝市場調査課に勤務。その後カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現在に至る。心理学を基礎とした企業向けの研修や教育講演を行い、著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』『「やりたい仕事」病』など多数。



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